
私は64才の主婦です。子供の時から言葉では苦労しましたが、今は殆ど支障はありません。目上の人と電話で話すときなどに少々緊張するくらいでしょうか。ですから、いずれドモリは軽くなります。でも、今困っておられる若い人たちには間に合いません。よね。
私は2年半前から詩吟を始めました。その練習をしている間にドモリの矯正に役立つと思われる方法を2つ見つけました。それを紹介したいと思います。
一つは即心療内科へ行く事です。私は心療内科でドモリが直るなんて全く知りませんでした。誰かが教えてくれていたら50年前に行ったのにと思います。そしたら私の人生は違っていたことでしょう。私はあることがきっかけで心療内科へ行くことになりました。その結果もお知らせしたいと思います。
詩吟を始めた最初のころは、何にも考えずにやっていたせいか、まあまあ声は出ましたが今考えれば全部喉で言っていましたね。詩吟は言葉もゆり(投稿者注:詩吟独自の発声方法)もおなか(胃あたり)で言うのですが、どうすればよいかもわからず先輩に教えられるまま、下腹あたりに力をいれたりしていましたが、次第に身体が緊張して来ました。別に先生が恐いという訳でもないのに顔も口も喉もこわばってしまって言えないのです。それでも、続けていれば何とかなるだろうといろいろな方法を試していましたら、ある日突然つばが止まらなくなりました。一日中、起きている間止まらないのです。それで初めておかしいと気付いて心療内科を受診した訳です。
これまでの事を話しますと「パニック障害に近い」とのことでした。パニック障害もひどくなると息が出来なくなって救急車を呼んだりするらしいですが、私の場合は詩吟のおけいこの時だけ緊張するのです。「抗うつ薬」とおけいこの1時間前位に飲む「抗不安薬」というのを処方されました。あとで知ったのですが「抗うつ薬」には緊張をやわらげる作用があるんですね。その薬を飲みだして3日後に詩吟の大会があり、この薬が劇的に効きましたね。前の晩に「抗うつ薬」を、当日の朝「抗不安薬」を飲んで大勢の人の前で詩吟をしましたが、全く緊張しなくて、高いところはいつも喉に来て四苦八苦するのですが、喉が開いていたのかとても楽に言えました。
薬を飲み始めたのは4月頃ですが、あれから10回位は大会も含めて人前で詩吟をしましたがあれ以来、全然と言っていい程、平常心で出来ます。始めの何回かはあれはまぐれだろう、次は緊張して言えないだろうと思うのですが、不思議に大きな会場で何百人いても平気です。薬をやめたら元に戻るのかはまだ飲んでいるのでわかりませんが。でも、先生の前で練習するときは同じように薬を飲んでいるのにやはり緊張したままなかなか直りません。おけいこのときに緊張するのに大会では緊張しないのは不思議ですが、これが病気なんでしょうね。大会であまりうまくいったので、心療内科の先生にこんなに緊張がとれるのならこの薬をドモリの治療に使えないんですかと尋ねまして。そしたら先生が「結構、直っているよ」とおっしゃったのでびっくりしました。私が知らなかっただけで、この治療方法はよくつかわれているのかもしれませんね。だから、今悩んでいらっしゃる方、すぐ心療内科へ行くことをお勧めします。
もう一つ、詩吟から得た、ドモリの矯正に役立つと思われることは、おなか(胃あたり)で物を言う練習をすることです。ドモる人は発生する器官の喉や唇が緊張してしまっていると思います。それと呼吸の乱れがあります。私は息を止めて物を言っていたように思います。だから長くしゃべっていると息が苦しくなることがありましたね。詩吟の仲間はの人は口にも顔にも力を入れていないと言っていましたが、私は何十年も喉を閉めてしまっていたので、高音部でうわずったり、喉を閉めているのに無理に声を出すので、風邪を引いた時のようなガラガラ声になったり、毎回、どうしたら喉を開けることができるかを考えていました。先生はグッと喉を開けているのがわかると仲間の人が言っていましたが、私はどうしても喉を開けることができませんでした。
その時、ふと思いついたことがありました。ちょっと汚い話ですが、気分が悪くなって吐いたりするときどういう態勢になっていると思いますか?胸をグッと上げて口を思い切り開けていますよね。おもちが喉に詰まったとき、後ろからはがいじめにして、みぞおちあたりを思い切りしめると吐き出すという事も聞いたことがありました。私はこれだと思いました。身体の仕組みを利用して喉をあけてやれと思ったのです。
声がおなかから出ているか喉から出ているかは仰向けに寝て詩吟をするとか歌を歌ったりしてみればすぐわかります。おなかが引っ込めばおなかで言っていますし、おなかがふくらんだら喉で言っています。いろいろ試してみた結果、腹筋を思い切り引っ込め、その中が胃ですからそこで声を出せばいいのではないかと今は思っています。
のどを開けるためにみぞおちあたりを引っ込めたほうが良いのかもしれないけれど、腹筋の所を思い切り引っ込めたら自然にみぞおちのあたりまで引っ込むので喉が開くかなと思っています。この1年ほどおなかで言う練習をした結果おなかのどこででも言えるようになりました。
そして、職場でおなかで言えてることに気がつきました。口を殆ど動かさずに言えます。演歌歌手も全然口を動かさないで上手に歌うでしょう?あれはおなかで声を出しているからできるのです。
ドモリの矯正に発声練習は必要ないと思います。それよりおなか(胃)で言う練習をおすすめします。詩吟を習っていない人がどうすればおなか(胃)で物を言う事が出来るかは仰向けに寝て歌を歌ってみたらいいと思います。息は口をつむって鼻で息をします。その方が空気を沢山吸えます。おなかを引っ込めれば引っ込めて発生する程、胃あたりで言う感覚がつかめます。
腹筋のところで思い切り息を吸って、グッと奥に押し込むと、そこに何か固いものができます。そこで言えばいいのです。
詩吟ではおなかを引っこめるほど、きれいなすき通った声になると言われています。寝てやってみて腹式呼吸と腹式の発声がわかったら、立ち上がって練習してみて下さい。腹筋からみぞおちあたりを引っこめたら自然と口あたりの力は抜けている筈です。口はうっすらとあけているだけでかまいません。口は意識しないでおなか(胃)で物を言ってみて下さい。落ち着いた声になると思います。
もう亡くなられましたが、田中角栄という元首相は若いころ、どもっていたそうで、この人は浪曲(なにわ節)で直したと聞いています。だから声がかすれていましたね。口もエの口をしたままで物を言っていました。おなかで言えば口形なんか関係ないという証明です。
実は私は20代の頃、数年間詩吟をしていたことがありました。その時は喉を締めているものだから3回目にはキーキー言うし、その前に詩吟を始めるとなぜかつばが出て来て、のどに入りそうになってそのまま続けているとコックンと喉に入ると絶句ということになります。詩吟の大会では言葉の読み違えと絶句は失格となります。私はつばのことが気になって詩吟どころではありませんでした。詩吟は4行の漢字を歌います。行の終わりにどこででもつばを飲みこんだらいいではないかと今なら思いますが、つばを飲み込むとちょっと間があきますので飲み込んだらいけないと思い込んでいました。今考えるとあのころからパニック障害だったのだと思います。
パニック障害の中に「予期不安」というのがあります。ドモる人はこれではないかと思います。ドモるであろうと予想してよけいに緊張して失敗するわけです。説明書の中にパニック障害は脳のある部分のある物質の分泌量が少ない為に起こる。これは自分の努力では直らない。投薬療法が必要であると書いてありました。脳のどの部分で何という物質か忘れてしまいましたが、自分の努力では直らないと書いてあったので、渡井はあっさり薬を飲むことにしました。2年近く努力しましたが詩吟の時の緊張は益々ひどくなるばかりだったからです。その結果大会では不思議に上がらないし、普段の練習でも少しずつ緊張がとれて来ていると実感します。
今困っている皆さん、心療内科へ行って緊張をやわらげる薬を飲みながら、おなかで物を言う練習をして下さい。決して口を意識してはいけませんよ。
私は昔、何も知識がなかったから、口形が悪いからだろうかとかアイウエオと発声練習などをしていました。
でも、どもりは心の病気です。病気の時は病院に行きましょう。
そして、未来のある若い方には自分の夢をかなえて下さい。
心から応援しています。
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